祖先からの影響：呪いを解放し、新たな未来を築く

　セッションに現れたのは、ロサンゼルスで広告代理店を経営するジャスティンとエイミー夫妻。エイミーはアフリカ系アメリカ人で、美しいカーリーヘアと抜群のスタイルが目を引く女性だ。一方、ジャスティンは高身長で、ブロンドの髪とブルーの瞳が特徴的な男性。

２人とも３０代前半で、現在はまだ子供がいない。

　彼らがノアのセッションを受けてみたいと強く思った理由は、人生全般にわたってさまざまな問題に直面しているからだ。仕事も人間関係も、何一つ思い通りに進まないと感じているという。エイミーはそろそろ子供を持ちたいと考えているが、仕事がうまくいっていないため、経済的にまだ厳しいと感じている。依頼はある程度来るものの、途中でキャンセルされることが多く、２人にはなぜこうした問題が次々と起こるのか、その理由がわからないという。

　ノアは２人を見て、「とても暗いエネルギーがあなたたちを縛りつけている」と感じたと言った。

　最初にセッションを受けるのは、奥さんのエイミーだ。ノアは彼女に何か原因があると感じた。そして、セッションが始まった。

　「エイミー、君の家系には呪いがかかっている。何が原因なのか、一緒に見ていこう」

　「家系、ですか？」

　「そう、君の先祖のどこかで呪いがかけられたようだ。それが君とご主人に影響を及ぼしている」

　「そんなことが本当にあるのですか・・・？」

　ノアはエイミーの右側に漂う暗いエネルギーに集中し始めた。家族や家系、そして祖先のエネルギーは、人の右側に現れる。

　「まず、君の家系をたどると、とても古いことがわかる。３本の家系のエネルギーの線が見える。そのうちの１本を追っていくと、アンデスの高地が見えてくる」

　「私にはインディオの血が流れているのです」

　「２本目の線をたどると、古代ローマの光景が見えてくる。元老院でトーガをまとった男性たちが話し合っている姿が見える」

　「ローマ人の血も入っているのかもしれません。北アフリカは古代ローマの支配下にあった時代がありますから」

　「３本目の線をたどると、約２万年前のアフリカにたどり着く。問題は、このアフリカで何が起きたかだ」

　「私はアフリカ系アメリカ人なので、祖先はアフリカからアメリカに渡ってきたのだと思います」

　ノアには原因が見えてきた。

　「君の遠い祖先はアフリカで暮らしていた。藁で作られた家が見える。その村で問題が起きた。霊力の高い呪い師と争いになり、その呪い師が君の家系と子孫に呪いをかけてしまったんだ。この呪いは男性にかけられたものだから、君よりもご主人のジャスティンに大きな影響が出ているはずだよ」

　「はい、だから主人も連れてきたのです。彼の方が私よりつらい状況にいるので」

　「まずは君からこの呪いのエネルギーを取り除こう。その後、ご主人の状態を見るね」

　ノアはエイミーの先祖と子孫にかけられた呪いのエネルギーを浄化し、一族をその呪いから解放した。そして次に、ジャスティンのセッションを始めることにした。

　ジャスティンがノアの目の前に座ると、ノアは彼にこう語りかけた。

　「君がこの部屋に入ってきたとき、君の頭に槍が刺さっているのが見えた。この状態では、頭痛がひどく、常に頭がぼんやりして働かないのではないかな？集中力もかけているから、仕事をするのも相当大変なはずだよ」

　「はい、その通りです。頭痛が常にあって、いつも頭が混乱しているような感じなのです。ノアさんのお話を覚えるのが難しいので、録音してもよろしいですか？」

　「もちろん、録音してもいいよ。でも、これから浄化を始めるから心配しなくて大丈夫だよ」

　ノアはジャスティンの頭に刺さっていた槍を引き抜き、エイミーの家計から流れ込んでいた呪いのエネルギーを浄化した。この呪いは男性に悪影響を与えるもので、エイミーと結婚したことでジャスティンにもその影響が及んでいたのだ。実際、ジャスティンが不調を感じ始めたのはエイミーと結婚してからのことで、それ以前は特に問題もなく、頭痛もなかったという。

　セッションが終わると、２人の顔色が明らかに明るくなっていた。エイミーは、「こんなに開放感を感じたのは初めてです！」と嬉しそうに語った。一方、ジャスティンは頭がスッキリと爽やかになった様子で、こう言った。

　「本当にありがとうございました。あの状態では仕事に集中できず、ひどい頭痛に悩まされていましたし、気持ちもずっと落ち込んでいました。本当に救われました」

　しばらくして、エイミーからメッセージが届いた。

　「セッションが終わった直後から、私たちは心も体もとても軽くなり、爽やかな気分になりました。特にジャスティンは、長年悩まされていた頭痛がすっかり消え、頭がクリアで冴えていると感じているようです。以前は私たちのコミュニケーションもうまくいかず、すれ違うことも多かったのですが、今ではそういう問題は全くありません。仕事にも集中できるようになり、本当に感謝しています。子孫にかけられた呪いだと聞いていたので、私が子供を産む前に解放していただけて、本当に良かったです。心から感謝しています」

　エネルギーは時空を超えて存在し、浄化されない限り影響を与え続ける。

もしエイミーたちの呪いが解放されなかった場合、その負のエネルギーは彼らの子供や孫にまで影響を及ぼしていっただろう。子孫を乗ろうという意志がこのエネルギーに宿り、その意志が負の連鎖を引き起こす。そして、その連鎖をどこかで断ち切らなければ、永遠に続いてしまう可能性がある。

　今回の浄化によって、エイミーたちは自分たちの子孫に負の遺産を引き継がせることなく、新しい未来を築けるようになった。

　人の家系のエネルギーは、右側に現れるとノアはいう。ノアが家系のエネルギーを見ると、以前はその人の先祖たちが姿を現し、数百人も先祖が並んで見えたという。しかし、それでは非常に大変なため、現在はエネルギーが一本の線として見えるようになった。先祖たちが連なっている様子が、その線の中に表れているのだ。

　特に海外では、多くの人が複数の国や地域の血を引いている。そのため、先祖の人数を見ようとすると非常に多くなり大変だという。たとえば、エイミーのように３本の線が見える場合、それが３つの国や地域の血が混じっていることを意味する。

　一方、日本人の家系を見ると、ノアによれば、ときどき「この時代に、この家系は大陸から日本列島に渡ってきた」といったことがエネルギーを通じてわかることがあるという。

　人は祖先からDNAを受け継ぐだけでなく、先祖たちの生活習慣や文化、生き方と言った精神的なエネルギーも一緒に引き継いでいる。そして、もし祖先が誰かの恨みを買うような行いをしてしまうと、そのネガティブな影響が子孫まで流れて込むことがある。

　それが「家系の因縁」として残り、やがてどこかの子孫がその償いを担うことになる。

　たとえば、女性を虐待してきたような家系では、その後の女性たちも同じように虐待を受けるという負の連鎖が続いてしまうことがある。逆に、祖先の中に周囲の人々を助け、愛を尽くして生きてきた人がいると、その家系にはとても美しい光が宿ることがあるという。

その光は子孫にも影響を与え、彼らを守ったり、恩恵をもたらしたりすることがあるそうだ。