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水辺で死ぬカルマを乗り越えて

  • 執筆者の写真: Gabby
    Gabby
  • 1月24日
  • 読了時間: 6分

更新日:2月15日

 セッションに現れたソフィーは、40代後半のスリムな女性。

長い赤毛がとても印象的だった。動作には少しぎこちなさがあり、彼女が緊張していることがすぐにわかった。過去に大きな傷を負い、もうこれ以上傷つきたくない――そんな思いが彼女の佇まいからひしひしと伝わってきた。


 ノアは、ソフィーが非常に緊張していることを既に感じ取っていた。


 セッションが始まると、ソフィーのこれまでの人生が少しずつ明らかになっていった。


「君は幼い頃から、心にたくさんの傷を負ってきたね。両親からの愛を十分に感じられず、学校でも孤独を抱えていた。そんな時、君が一人で海に行って過ごしている姿が見えるよ」


「その通りです。今もビーチ沿いの家で暮らしています」


 ノアはさらに続けた。

「君のお腹に“口”が見える。これは、言いたいことがあっても言えないことを意味している。本当は伝えたいけれど、何か言えば言い返されるのではないかという恐れがあるんだろうね。そういった意味で、君はずっとシャイだったんだ」


「そうなんです。人間関係が苦手で、言いたいことがあってもほとんど我慢してしまいます」


 ノアは会話を進めながら、同時に彼女の心の傷を癒していった。最初はヒーリングに対して懐疑的な表情を見せていたソフィーだったが、ノアの言葉が核心をついていることで、次第にその疑念が解けていく様子が伺えた。


 ノアには、ソフィーのいくつかの前世が見えてきた。


「ソフィー、君の前世の一つが見える。場所は中国の山奥、雲南省の風景だね。山の上の方にある小さな村で、君はその村の村長を務めていた。村の近くを上流から下流に水が流れる川が通っている。そしてある時、水飢饉が起きたんだ。水が不足すると村が大変なことになるから、君は村長として上流の水の流れを途中でせき止め、下流には水を流さないことを選んだ。しかし、その結果、下流の村では水不足が深刻化し、農業や生活に大きな影響が出た。下流の村人たちは話し合いを求めたけれど、君は自分の村を守るために水を手放さなかった。追い詰められた村人たちは、ランタンのようなものを作って、君が水門を開けるように祈り続けた。そして雨を願う祈りも捧げたけれど、雨は降らず、君も水門を開けなかった。最終的に、生活に困窮した村人たちは深い恨みを抱き、君に強い呪いをかけたんだ。その呪いが今でも君の中に深く刻まれている」


 ソフィーは静かに聞いていたが、やがて低い声で言った。

「それが前世の私ですか……なんて自己中心的でひどい人間だったんでしょう」


 ノアは優しい声で答えた。

「今、その時の呪いを消しているから安心して。君の魂が自由になるためにね」


ノアには、さらに別の前世が見えてきた。


「これも中国での前世だね。君は中国と特別な縁があるみたいだ。今回は上海だと思う。この前世では、君は西洋人の男性で、中国人の女性と結婚していた。二人で上海にあるオリエンタルな雰囲気のホテルを経営していた。そのホテルには、水の流れを見せるための人工の川を作り、美しい庭をデザインしていた。庭には池や植物が見事に調和して配置され、訪れる人々を魅了していたよ。しかし、この前世の君にはもう一つの顔があった。実は君は自国のスパイでもあったんだ。そしてある日、何かの策略にかかり、他のスパイに運河のそばで命を奪われてしまった」


 その後も、ノアにはソフィーのいくつかの前世が続けて見えてきた。


「次に見えるのは、君がフリゲート艦の船乗りだった前世だ。この戦艦は沈没し、君は溺れ死んでしまった。その後の前世でも漁師として溺れたり、ヨットに乗っていて溺れたりと、何度も水辺で命を落としている。そして、中国でスパイ活動をしていた時にも運河のそばで命を落としたことから、水辺で死ぬことが君のカルマとなってしまったんだ。さらに、その前の人生でかけられた呪いも影響し、人生がうまくいかなくなっていた。だから、呪いと水辺で死ぬというカルマが君に重くのしかかっていたんだよ」


 ソフィーは驚いた表情で言った。

「ええ?私は今も水辺で暮らしています。このままそこに住み続けたら、今世でも水辺で命を落とすことになるんですか?」


「心配しなくていいよ。今、そのカルマはすべて解消したから、もう大丈夫だよ」


 ほっとしたように、ソフィーは少し笑顔を見せた。

「それなら安心しました。実は、前世で中国にいたという話は本当に腑に落ちます。まず、私は中国の絵画や美術品が大好きなんです。そして、驚くかもしれませんが、今年中に中国の雲南省に行く計画を立てているのです。中国の中でも特に行きたい場所が雲南省なのです。そこが私の前世で暮らしていた場所だったなんて驚きです」


「それは偶然じゃないね。カルマから解放された今、ぜひ訪れてみるといいよ。きっと、なんだか懐かしい気持ちになるかもしれないね」


 ソフィーはうなずきながら続けた。

「ええ、ぜひ行ってみたいです。それと、そろそろ水辺での暮らしとはお別れしようかと思っています。少し前からオレゴンへの引っ越しを考えているんです。今度は海ではなく、美しい山々に囲まれた自然豊かな場所で暮らしたいと思っていて」


 「それは素晴らしいアイデアだね。きっと新しい生活が君に新たなエネルギーを与えてくれるよ」


 セッションが終わってから2ヶ月後、ソフィーからメールが届いた。その中には、こう書かれていた。


 「私は今、オレゴンにいます。長年愛していたマリブのビーチライフを手放し、ここオレゴンの森林の中で新しい生活を始めました。ここには昔から親しい友人が住んでいて、それも引っ越しを決めた理由の一つです。ノアのセッションを受けて、私は大きく変わりました。心が自由になったと実感しています。これまで、私は自分の心に蓋をしていました。心を開くことが怖かったんです。それが、私にかけられていた呪いと深く関係していたのですね。いま、心を開いてみると、自分がどれだけ閉じ込められていたかに気づきます。もし、ノアのセッションを受けずにあのまま生きていたら、私の残りの人生はどれほど暗いものだったでしょう……考えるだけでぞっとします。ここオレゴンは、美しい自然にあふれ、毎日が癒しそのものです。もちろん、湖や池のような美しい水辺もたくさんあります。でも、ノアのおかげで水辺で死ぬカルマから解放されたので、もう安心して暮らせます。近いうちに、雲南省にも訪れてみようと思っています。あの場所が私にとってどんな感覚を呼び起こすのか、とても楽しみです。本当にありがとうございました。次は、ぜひノアにオレゴンに来ていただきたいです。その日を心待ちにしています」





 

 
 
 

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