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ジャム瓶のふたを開けて:感情の解放と心の変化

  • 執筆者の写真: Gabby
    Gabby
  • 2018年7月22日
  • 読了時間: 4分

更新日:1月17日

 今日はアメリカから素敵なカップルがノアのセッションを受けに東京にやって来た。アンジェリーナとショーン、60代後半のカップルだ。アンジェリーナは、ニューヨーク北部の緑豊かな自然に囲まれた家と、マンハッタンのアッパーウエストにある高層マンションを行き来しながら、ジュエリーデザイナーとして活躍している。

 一方ショーンはフィラデルフィアを拠点に、かつてローリング・ストーンズやエリック・クラプトンのアルバムジャケットを手がけたアーティストだ。今も頼まれてイラストの仕事をこなしている。

 2人はそれぞれ離婚を経験し、子供や孫もいる。結婚という形はとっていないが、ほとんどの時間を一緒に過ごし、「一緒にいるのが一番心地いい」と語る関係だ。 


 ノアがアンジェリーナの前に座り、セッションが始まる。

「アンジェリーナ、10−12年ほど前に、君はとても深く傷ついたことがあったね。それ以来、心を閉ざしてしまった」

 ノアの言葉に、アンジェリーナの表情が一瞬で硬くなり、彼女は視線を落とした。そして静かに口を開いた。

 「12年前、夫に好きな人ができたと言われ、突然、別れを告げられました。私たちは仲が良いと思っていたし、関係も順調だと思っていました。それが自分だけの思い込みだったなんて・・・28年連れ添った結婚生活でした」

 彼女の瞳には涙が浮かんでいた。


 ノアが続ける。

「それはショックだったね。君の心の中には、まるでジャムの瓶に蓋をして封じ込めたような状態が見える。ジャムは甘いでしょう?それは、君とご主人の幸せな思い出のこと。でもその突然の出来事で、思い出を見るのがつらくなり、蓋を閉めてしまった。そしてご主人とその女性への恨みが残った」

 アンジェリーナはうなずきながら、言葉を絞り出すように話す。

「恨みたくはなかったです。でもどうしても抜け出せなかったのです」

 ノアは静かに言葉を重ねた。

「君はプライドの高い人。恨むことさえ許せなかった。そのプライドが、心を閉ざす原因にもなってしまった。そして君の家系にも裏切りや別離のカルマが残っている。それも一緒に浄化しよう」


 しばらく浄化を続けたあと、ノアが再び語りかける。

「君の中に『口』が見える。本当は言いたいことがたくさんあった。でも言えなかった。プライドが邪魔したのだね」

 アンジェリーナは小さく頷く。

「そうです。言いたいことはたくさんありました。でも話せませんでした。夫も感情を閉ざす人だったし、話し合うことなく離婚が決まりました。今思えば、十分に向き合わなかったことが後悔です」

「そうだね。本音を話せなかったからこそ、君の中には今も当時の感情が溜まっている。それは無数の『思いの玉』として見える。それらを一つ一つ浄化していこう」


 ノアの言う「思いの玉」とは、人の体の中に蓄積された思いや感情のこと。粒子のように見えて、心や体を重くするものだという。


 アンジェリーナの中に閉じ込められていた悲しみが浮かび上がり、彼女はついに泣き出した。

「涙を流していいんだよ。涙が溜まった感情を洗い流してくれるから」

 アンジェリーナは溢れる涙を止めることなく、静かに泣き続けた。封じ込めていた悲しみが、涙となって一気に解放された。


 セッションが終わる頃、アンジェリーナの表情は明るく柔らかく、晴れやかになっていた。そしてこう言った。

 「自分ではジャムの瓶の蓋を開けることが出来なかった。開けたくなかった。でもノアが優しく蓋を開けて浄化してくれたおかげで、心が軽くなりました。思いを溜め込んでいる自覚はなかったけれど、私のように抱え込んでいる人は多いはずです。本当にありがとうございます」と。


 アンジェリーナがアメリカへ帰国して数週間後、彼女からメッセージが来た。そこにはこう書かれていた。

 「帰国して2週間後、元夫と彼の再婚相手と顔を合わせる機会がありました。正直、会いたくないと思っていたけれど、私たちには子供がいるので避けられませんでした。ところが実際に会ってみると、これまで感じていた怒りや恨みの思いが一切湧いてこなかったのです。それどころか、彼の再婚相手に対して優しい気持ちが芽生え、2人で色々な話をしました。自分の中の変化に驚きました。ノアのセッションのおかげです。本当に感謝しています」


 この報告を受け、ノアは言った。

「人の心の奥底には、誰もが大きな愛を持っている。傷ついた心が癒やされ、悲しみや恨みが手放されたとき、その愛が自然と姿を現すんだよ」と。


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