アリスの胸に潜む龍のエネルギー：見えない呪縛からの解放

　ロサンゼルスのダウンタウンで、おしゃれなブティックを経営するアリス。彼女はアメリカ人の父と韓国人の母を持つハーフで、３姉妹の末っ子。姉妹揃って美しく、どこか神秘的な雰囲気が漂う。

　その日、アリスは２人の姉たちと一緒にセッションに現れた。長女のアンドレアが、アリスの症状についてノアに説明し始める。

「アリスは小さい頃から胸が詰まった感じがあり、時々、息ができなくなるのです。何度もレントゲンやCTを撮りましたが、医者には問題ないと言われて。でも私たちは何か霊的な原因があるような気がしているのです。日本からすごいヒーラーが来ると聞いたのでここに来ました。どうか妹を助けてください」

　３人姉妹の間には、見えない霊的な感性が流れているようにも感じられた。

　セッションが開始して、ノアはアリスに静かに語りかける。

「アリス、君の胸のところに暗いエネルギーが見える。それは龍の形をしている。とても強い呪いだよ」

「龍、ですか？それは何でしょうか？」

「このエネルギーが君をずっと苦しめてきた原因だね。これから浄化する過程で何があったのか見えてくるはずだから」

　ノアには見えてきた。

「アリス、君は前世で中国の皇室に嫁いだ女性だった。そこで子供を産んだ。その子が王位継承権を持っていたため、周囲から嫉妬と憎しみを受け、呪いをかけられてしまったんだ。皇室に使える高位の僧たちが、皇帝の象徴である龍を用いて呪いをかけた。その呪いのエネルギーが、時空を超えて君の胸に残っているんだよ。このエネルギーが君の呼吸を妨げ、体のエネルギーの流れと滞らせている。だから手足が冷えやすく、感情も出にくくなっている。この呪いを解放すれば症状も軽くなる」

「どうかお願いします」

　ノアは呪いのエネルギーに立ち向かった。それは強力で、途中何度も休憩を挟みながらの作業となった。２時間後、ついにノアは暗い龍のエネルギーを浄化し終えることができた。

　アリスもノアも疲れ果てていたが、アリスの表情にはどこか安堵の色が浮かんでいた。

　翌日、アリスが連絡してきた。

「胸の詰まりが消えて、深く息が吸えます。体もすごく軽くて、本当に驚いています」

　それから数年が経った今でも、アリスの症状は一度も再発していないという。胸の苦しみから解放され、日々の生活も驚くほど好転した。現在では愛する人と結婚し、子供にも恵まれ、ご主人と共にファッションの仕事で輝き続けている。

　このように、身体の痛みや不調の原因が、必ずしも肉体的なものとは限らない。過去のネガティブなエネルギーが、心や体に残り続けることで、不調として現れることがある。しかし、そのエネルギーが浄化されれば、症状は自然と消えていく。

　アリスのように、心の奥深いに潜んでいる「見えない原因」に気づくことで本当の癒しが訪れるのだろう。